2026年9月06日

ピロリ菌の除菌治療を終え、検査でも「除菌できています」と言われると、これでもう胃の検査は終わり、と思われるかもしれません。
ただ、ピロリ菌がいなくなったことと、胃がんのリスクがなくなったことは同じではありません。
除菌によって胃がんになるリスクは下がります。それでも、ピロリ菌感染によって生じた萎縮性胃炎などの変化が残ることがあり、除菌後も胃カメラによる経過観察が大切です。
除菌すると胃がんのリスクは下がります
ピロリ菌は胃の粘膜に慢性的な炎症を起こし、長い年月をかけて萎縮性胃炎などの変化につながります。
除菌すると胃の炎症は改善し、胃がんの発生リスクも低下します。そのため、感染が確認された場合にきちんと除菌することには大きな意味があります。
一方で、除菌した時点で、それまでに起きた胃粘膜の変化がすべて元通りになるわけではありません。
特に、萎縮性胃炎が強い方や腸上皮化生がみられる方では、除菌後も胃がんのリスクが残ります。
現在の日本のガイドラインでも、除菌後に「この人はもう経過観察しなくてよい」と判断できる患者さんの条件は明確になっておらず、長期的な経過観察が推奨されています。
除菌したうえで、その後の胃の状態を定期的に確認していくことが大切です。
まず「本当に除菌できたか」を確認します
除菌薬を飲み終えただけでは、治療が成功したかどうかは分かりません。
除菌判定は治療直後には行わず、一定期間をあける必要があります。日本ヘリコバクター学会のガイドラインでは、治療終了から4〜6週間以降に除菌判定を行います。
当院では、除菌治療から約2か月後を目安に受診していただき、除菌できたかどうかを確認しています。
服用している胃薬などによって検査結果に影響することがありますので、検査前の内服については受診時に確認します。薬を自己判断で中止する必要はありません。
当院では除菌後も胃カメラを続けています
筒井内科医院では、ピロリ菌除菌後について、基本的に次のようにフォローしています。
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ピロリ菌の除菌治療
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治療後約2か月:除菌判定
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初回の胃カメラから約半年後:胃カメラで再確認
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問題がなければ、その後は原則として年1回の胃カメラ
半年後の胃カメラや年1回という間隔が、すべての方に一律に定められているわけではありません。
胃粘膜の萎縮の程度、腸上皮化生の有無、これまでに胃の病変を指摘されたことがあるかなどによって、その後の胃がんのリスクは異なります。そのため、必要に応じて検査の時期を調整します。
当院では、除菌後の胃を一度しっかり確認し、その後も継続して変化を見ていくという考えから、上記の間隔を基本としています。
「除菌判定」と「胃カメラ」は目的が違います
ここは混同しやすいところです。
除菌判定で確認しているのは、ピロリ菌がいなくなったかどうかです。
一方、胃カメラで確認するのは、胃粘膜そのものに異常がないかです。
除菌判定が陰性でも、萎縮性胃炎などの変化がなくなったという意味ではなく、その後に胃がんが発生する可能性もゼロにはなりません。
「除菌できました」という結果を聞いた後も、胃カメラまで終わりにしないことが大切です。
除菌して何年も胃カメラを受けていない方へ
「以前ピロリ菌を除菌したけれど、それから胃カメラを受けていない」という方もいます。
除菌から何年経ったかだけではなく、除菌する前の胃粘膜がどのような状態だったかが、その後のリスクを考えるうえで大切です。
特に萎縮性胃炎を指摘されていた方は、症状がなくても一度胃カメラを受け、現在の胃の状態を確認しておくことをおすすめします。
ピロリ菌を除菌したことは、胃がん予防の大きな一歩です。
その効果を生かすためにも、「除菌できたから終わり」ではなく、その後の胃を定期的に見ていくところまでをひと続きに考えるのがよいと思います。