アニサキス
アニサキス

「生魚を食べた後から、みぞおちが急に激しく痛くなった」「吐き気が強く、じっとしていられない」
このような症状が急に現れた場合、アニサキス症が原因となっていることがあります。
アニサキス症は、寄生虫であるアニサキスの幼虫が胃や腸の壁に刺さることで起こる急性の病気です。痛みが強いため不安になりやすい一方、原因が分かれば対応方針がはっきりする病気でもあります。
生魚(刺身、寿司、しめさばなど)を食べた後に強い腹痛が出た場合は、我慢せず早めにご相談ください。
アニサキス症は、生鮮魚介類に寄生しているアニサキス幼虫を、生または冷凍・加熱が不十分な状態で摂取することで起こります。
体内に入った幼虫が、胃や腸の粘膜に刺さることで、急激な腹痛や吐き気を引き起こします。
症状の出方は、幼虫が刺さる場所によって異なります。
魚介類を食べてから数時間〜12時間以内に、次のような症状が出ることが多いとされています。
食後十数時間以降〜数日後に、次のような症状が出ることがあります。
状況によっては、腸閉塞や穿孔などの重い合併症につながる可能性があり、発熱や腹膜炎のような症状を伴うこともあります。
体質によっては、腹痛に加えて
などのアレルギー反応が出ることがあります。まれに、血圧低下や呼吸苦を伴う強いアレルギー反応が報告されています。
また、健診などの内視鏡検査で症状のない状態で偶然見つかるケースもあります。
原因は、アニサキス幼虫が寄生している魚介類の生食です。
特にサバ(しめさばを含む)での報告が多いとされていますが、次のような魚介類も感染源となり得ます。
アニサキス幼虫は、魚が死んでから時間が経つと、内臓から身(筋肉)へ移動することが知られています。そのため、同じ魚でも保存状態や時間経過によってリスクが変わると考えられています。
また、過去にアニサキス症を経験している場合、再感染でより強い免疫反応が起こり、症状が強く出ることがあるとされています。
診断では、まず「いつ、何を食べたか」(生魚、しめさば、イカなど)
を詳しく伺うことが重要です。
そのうえで、症状や経過に応じて次の検査を検討します。
胃内視鏡検査(胃カメラ)
胃アニサキス症が疑われる場合、胃カメラで虫体を直接確認します。
見つかれば、その場で摘出できることが多く、診断と治療を同時に行える検査です。
血液検査
炎症反応(白血球数、CRPなど)を参考にします。
アニサキス抗体検査は、発症直後は陰性となることもあるため、症状や経過を踏まえて評価します。
画像検査
腸アニサキス症が疑われる場合や、症状が強い場合には、状態把握のために画像検査が必要になることがあります。その際は、連携医療機関での検査をご案内します。
腹痛が強い場合は、アニサキス症以外の病気も含めて慎重に判断します。
治療方針は、幼虫が
胃カメラで虫体を確認できれば、鉗子で摘出します。
摘出後は、痛みが比較的速やかに軽くなることが多いとされています。
内視鏡での摘出が難しい場合が多く、絶食や点滴などの対症療法が中心になります。
強いアレルギー反応が関与していると考えられる場合には、抗アレルギー薬や鎮痛薬などを組み合わせて症状の緩和を図ります。
現在のところ、幼虫に確実に効果がある駆虫薬は確立していないとされています。
腸閉塞や穿孔が疑われる場合、腹膜炎症状がある場合、全身状態が悪い場合などは、速やかに連携医療機関へご紹介します。
次のような場合は、早めの受診をおすすめします。
筒井内科医院では、まず丁寧にお話を伺い、症状や経過に応じて必要な検査をご提案します。胃アニサキス症が疑われる場合には、胃カメラによる評価と治療を行います。
急な強い腹痛は、不安も大きいものです。
原因を早めに見極めることが、安心につながります。
気になる症状があれば、我慢せずご相談ください。
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